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INTERVIEWS-CUTTER

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A LEATHERを支える生産者たちの声。どんどん縮小していきつつある日本の歴史ある生産現場で彼らは何を思い長年その唯一の技術を守り続けているのか。
今回はA LEATHERの生産現場で活躍している裁断士の思いをインタビューしました。


Q.裁断の仕事を始めて何年になりますか。
40年になります。
世界でも有名な日本のブランドの裁断を手掛けていたこともあります。


Q.裁断士とはどんな仕事ですか。
タンナーで仕上げられた革にパタンナーが作成した型紙を元に洋服のパーツを裁断していきます。
1日に8時間ほど立ちっぱなしで作業することがほとんど。
手作業で裁断をするので1時間1着で1日に8着分裁断できるペースで作業していますが、A LEATHERのようにデザインがダイナミックだともう少し時間がかかる場合もあります。



Q.手作業での裁断でどんなことに気をつけていますか。
ペースやリズムが崩れると怪我にも繋がるので、集中して仕事できるように工夫している。
自分に合わせて整えた作業スペースで、好きなジャズを聴きながら裁断しています。集中している時には仕事の電話にも出ない時もあります(笑)
そして私は裁断の前の作業にとても時間をかけます。
革を見る作業が8割、裁断が2割だと思う。
個体差がある革をしっかりと見極め、
縫い手が縫いやすいように印もつけます。
裁断以降の作業がスムーズにいくようにも気を遣っています。

作業だけではなく、製品になったあとのことも想像しています。
服のどこの部分にどこの革の部分をあてがえば、着用感や仕上がりの見た目が綺麗になるのかも意識する。
基本的には胸の位置あたりに一番綺麗な革がくるようにしています。
雑誌を見たりして今のトレンドもしっかりと把握するようにしています。



Q.どんなことが大変ですか。
革は個体差があるし、季節によっても革の仕上がりが変わる。
どんな状態の革でも同じような仕上がりになるようにすることが大変です。


Q.機械化が進む中で手作業で裁断をすることの良い部分はなんですか。
革という素材は一枚一枚表情や状況が違う。だから、今後も色々なことのAI化が進んでも革の裁断はなかなか機械化にできないと思っています。
1枚1枚の革を裁断士が実際に見て、触れてジャッジできるので、手作業のほうが無駄な廃棄がなく1枚からより多くのパーツを取ることができます。


Q.仕事の中で大切にしていることは何ですか。
裁断の工程だけではなく、縫製師やデザイナーと常に相談をして意思を統一していくことがとても大事だと思っています。
服を作り上げる上で色々なことを想像し、共有し、連携を取って全ての工程をスムーズに進めていくことが良い製品を作る上でとても大切なことだと思う。


Q.今後アパレルの生産はどんなふうに変化していくと思いますか。
変化するということには良いことも悪いこともあります。
昔、革の裁断は専用の包丁を使用していた時代は、切れ味を維持することが大変だった。
今はロールカッターを使用することがメインになりとても便利になりました。
そうして道具が便利に変化していく一方で、
革を手作業で裁断することは未来的にも変わらないと思います。
基本的には今後もやることは変わらないです。
ただ、生産現場では高齢化と職人や工場の減少が進んでいます。
今後も高齢化は進んでいくと思います。



Q.A LEATHERに期待することはなんですか。
若い職人さんが増えることを期待しています。
A LEATHERが活躍していくことでレザーの生産にも興味をもつ若者が増え、新しい職人を育てていきたいと願っています。