Aller au contenu

【POPUP STORE】11/13wed-11/19tue OSAKA TAKASHIMAYA 3F/ 11/20wed-12/03tue MATSUZAKAYA NAGOYA NORTH 1F

INTERVIEW-TANNERY

INTERVIEW-TANNERY



A LEATHERを支える生産者たちの声。どんどん縮小していきつつある日本の歴史ある生産現場で彼らは何を思い長年その唯一の技術を守り続けているのか。

今回はA LEATHERの革をつくるタンナーで働く生産者の思いをインタビューしました。


Q. このタンナーは何年続いていますか。
先代から受け継いで60年。工場と技術を代々受け継いできました。
今は家族の手助けは少しありますが、ほとんど1人でやっています。

Q.昔と比べて変化したことはありますか。
やり方や作業工程、使用する機材も何も変わっていない。

Q.昔と変わらないことについてどう感じますか。
季節による気温の変化で作業に使用する水の温度が変わる。それだけでなく、その日や前後の日の天候、周りの環境や植物の状態によっても水の状態が変わるため、状況に応じて長年積み重ねてきた経験から生まれる感覚で微調整して
クオリティの維持ができている。
これは技術が進化してもデータやAIでは測れないことです。
革自体が変化する素材なのでこれからもアナログな部分はなくならないと思います。

Q.革を作り上げるのにどれくらい時間がかかりますか。
1日50〜60枚くらい作れます。
A LEATHERのビッグシルエットのシリーズだとだいたい20着作れるくらいの量。
基本的には1日で仕上げられますが、原皮の状態もバラバラだったり、革を乾燥するのに適さない天候や季節では乾きづらいためもう少し時間がかかる場合もあります。
牛革は特に大判なので安定したものを作り続けるということが大変ですね。



Q.タンナーによって違いはありますか。
同じ技術を別のタンナーで鞣しても季節や水温、環境の違いによって同じ状態に仕上がらない場合があります。海外は特に軟水や硬水など水質の違いがあるので同じような革には仕上がらないと思います。実際に過去に実験して失敗した例もあります。

Q.タンナーでの作業の際に気をつけていることは何ですか。
革は薬剤を使って鞣すので、何度も薬剤を使って状態を調整することはできる。でもうちのタンナーではウエットブルー(染色する前の鞣しが完了した状態の革)の仕上がりの状態をとても大切にしています。A LEATHERで使用する革は素上げのものが多く、とてもしなやかな着心地が特徴です。これはウエットブルーの段階でいかに革本来の柔らかさやしなやかさを残すかで染め上げた時に大きな違いが出るものです。
薬剤を多用すると革の良い風合いを消してしまうので、最終工程で薬剤を多用しなくて良いように鞣しの工程での仕上がりをとても重要視しています。



Q.これから未来に向けて生産現場はどんなふうに変化していくと思いますか。
今後も技術は変わらないと思います。
これからもデータの取れない世界でアナログな方法で経験を元に職人の感覚で生産していくことになる。一方で、日本のタンナーは後継者問題が深刻。どの生産現場にも言えることではありますが、タンナーの数とともに技術が縮小していってしまう不安はあります。



Q.A LEATHERにどんなことを期待しますか。
日本の技術の素晴らしさを世界に伝えてほしい。
革に対するイメージを変えてもっと広げて言ってくれることを期待しています。